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〜ネコリセット万場〜

「世界樹の迷宮II 〜六花の少女〜」[2012/5/23]

世界樹の迷宮II 六花の少女
上巻 2008年11月20日発行
下巻 2009年4月20日発行
REX COMICS 一迅社

本サイトでは初の書籍レビューとなる「世界樹の迷宮II 六花の少女」。ゲーム関連本の紹介というのは前々からやりたかったことなんですが、いかんせん、それほど冊数もネタとして面白いものも持っておらず見送っていました。ですが本作は元ゲームのファンとしては見逃せない一冊ということもあって今回紹介させてもらいます。

さて、元ネタとなっている「世界樹の迷宮II」は、2008年にアトラスから発売されたDS用3DダンジョンRPG「世界樹の迷宮」の続編です。そもそも「世界樹の迷宮」とは、古き良き3DダンジョンRPGの復権を目指して開発されたRPGで、ウィザードリィの現代版アレンジといった手触り。
大まかなストーリーと目的はあるものの、プレイヤーキャラを任意に作成するシステムの為、キャラ自体に個性付けはされていません。キャラ同士の設定はプレイヤーの想像や妄想に任されているので、プレイヤーが望めばそれこそプレイヤーの数だけストーリーがある、という仕様になっています。

と言う訳で、漫画に出てくるキャラについても、酒場の主人以外は漫画オリジナルキャラとなっており、さらにストーリーも漫画オリジナルキャラに依存した設定となっている為、世界樹を舞台にした一つのギルド(パーティ)の物語、といった感覚ですんなり入ることができます。
抵抗感が無いのは汎用的な絵柄もプラスに働いているようですね。

さて、本作の主人公はガンナーの少女である「マナリィ」。外観はゲームのオープニングにもでてくる青い服を着た少女と酷似しているのですが、詳細は不明。
世界樹の迷宮II 六花の少女
主人公のマナリィ (上巻)

ストーリーはマナリィが小さいころに世界樹で襲われた吹雪を纏う巨大なモンスター(外観はゲーム中のキマイラに似ているがオリジナルモンスター)を中心に据えて展開されます。
世界樹の迷宮II 六花の少女
宿敵の巨大なモンスター (下巻)

その時は名もない男のガンナーに助けてもらったものの、そのガンナーは命を落とすという結末だったため(マナリィは先に逃がされた為それは知らない)、心残りの決着をつけるべくガンナーとして成長したマナリィが再び世界樹にやって来るところから始まります。そこから仲間が増えていき、最終的に件のモンスターに挑むという流れ。

ギルドメンバーは順に、ブシドー男、ドクトルマグナス女、ペット虎、カースメーカー女、が仲間となり、ゲームと同じく5人 (?)のギルドとなります。編成からもわかるように、それぞれの役割がきっちりとしているバラエティ豊かな組合せ。仲間となる過程も丁寧に描かれており、ゲーム中では表現されないギルド内のやりとりも本作の見所。
主人公のマナリィと、後に仲間となるカースメーカーのレインの過去や背景が丁寧に描かれているのも良いですね。どちらかと言えばレインのほうが所謂ヒロインっぽい悲しい背景を背負っているので、僕としてはダブルヒロインの位置付けと捉えています。
他のメンバーの過去に関しては匂わせる程度にしか描かれていませんが、冒険を通して十分に魅力のあるキャラクターとして描かれており好印象。
ゲーム中では終始無言のキャラ達ですが、漫画内では活き活きと意見を交わし、助け合い、喜び合っている為、ギルドメンバーが仲間であることを強く印象付けてくれます。

また主役の一端を担うモンスター達については、おそらく多くのプレイヤーが想像していたものよりも大きく凶暴に描かれており、お馴染みのモンスターでさえもモンスター度が大きく向上していて迫力が倍増しております。
世界樹の迷宮II 六花の少女
本編でお馴染みのモンスターも巨大に (上巻)

戦闘シーンはゲーム内のスキルを絡めてダイナミックに、そしてスピーディに描かれており、モンスターに立ち向かう主人公たちの勇敢さが伝わってくるシリアスさ。
ただ、危機一髪時に仲間が駆けつける展開が何度もある為、読んでいてやや緊張感に欠けるところはありますが、やはり王道のパターンゆえにスッキリと後味良く読み終われるのが良いです。
ゲーム本編ではメインともいえる探索に関しても上手く漫画で表現されおり、偶然落ちてしまった穴からの探索や、抜け道なんかも盛り込むことで、世界樹らしいダンジョンが表現されています。 
これだけのボリュームが上下巻できれいにまとまっているとはいえ、ページ不足か最後はやや駆け足気味。最後の戦闘シーンなんかはもう少しじっくりと描いてほしかったところでしたね。
しかしながら、このギルドの冒険の続きが気になるということは本作のクオリティが高かった証拠かと。

最後に、ゲーム関連書籍全般に言えることですが、ゲーム自体をプレイしていたほうが数倍楽しめる、ということ。ゲームと書籍の相乗効果により、二度美味しいどころかさらにおかわりもできるほどの楽しさを引き出してくれます。どちらか一方を楽しんだという方は、是非とももう一方も手にとって貰いたいですね。

おまけ:カバー裏はコミカル
世界樹の迷宮II 六花の少女
(上巻) さらに裏表紙と下巻にもあるよ。


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